年始めからCollarBar問題
2019年1月6日、Picture Monitorの輝度がなぜか高くなっていて、おかしいと思って編集を一旦やめて、波形を出してみました。
すると、なんということでしょう!
ベクトルスコープがあらぬ事になっているではありませんか!!
(ちなみに輝度の問題は、Monitorの再起動でなおりました)
最近ビデオ編集はお手軽になってきましたが、そもそも論としてなぜCollarBarがあるのか、という基本を無視したお手軽編集がローエンドにありがちだと思います。
うちもBlackMagicのUltraScope4Kなんで、モニタリング環境がどういう言えないのはそうなんですが、今回の事で、改めて信号監視の重要性を感じました。
ただ、編集ソフト上では問題なかったので、今回の編集では、Macのモニターが完全にRec.709(ガンマ2.4)でキャリブレーションできていれば問題ない、とも言えるものです。
データー納品のみを行う場合もある現在、インハウスだけなら無視できるかもしれませんが、上の写真のように出力された信号の状態を無視すると、そもそもクライアントプレビューの時にずれたままお客さんに見て頂く事になり、やっぱり仕事にならん!わけです。
CollarBar無視している制作環境の方は、もう一度映像の基本を見直すことをお勧めします。
そんなことで、改めて物事には基本は大切だと感じ、ある意味良い気づきを与えてもらった新年の幕開けでした。
以下、編集ソフト:FCPX
入出力インターフェイス:UltraStudio 4K
ベクトルスコープ:Smart Scope Duo
でのお話ですが、出力機機にBlackMagicをお使いの方には、同様な問題があるかもしれません。
また、FBでこのクロマが変になっちゃった事件を書いたところ、高信さん(プロニュースにも執筆されている方です)から助言を頂き、基本的にこのブログのあらゆる部分で高信さんのアドバイスが反映しています。
また、解決のためのアイデアは、高信さんより頂いたものであることを、明記しておきます。高信さん、ありがとうございました
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/01.5.jpg)
信頼できるCollarBarを使っているので、我が目を疑いましたが、FCPXのベクトルスコープでは、問題ない表示。このCollarBarの出所は、AdobeのプレミアですSmart Scope Duoには、 UltraStudio 4KからのSDIを直結しているので、BNCを交換しても変わらず、Mac Pro時代ではなかった事(現在暫定的にMac Book Pro 2017を使用)なので、冷静に考えると……
Thunderbolt3を、Thunderbolt2に変換しているコネクターか?!
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/f85c1387e67e47b2be7ca818eef88d3e.jpg)
と疑いましたが、この変換でクロマがずれるとは考え難い。
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/c19961b4b1325ade14637bf95ffa9488.jpg)
そこでカメラのCollarBarを入れたところ、問題ありません。
ということは、とりあえずSmart Scope Duoの機械的トラブルの可能性は排除されました。
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/04-MediaExpress.jpg)
では、FCPX以外のソフトからCollarBarを出力させると、いったいどうなるのか?ということでMediaExpressから出してみると、問題なし。謎??
後に判明しますが、ソフト、ハードがBMD統一なら問題ないわけなんです。FCPXに落とし穴が!
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/68e5695e71364caacff0b1adeab6ee27.jpg)
SmartScopeDuoをアップデートしましたが、FCPXからの出力は改善せず……
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/cfc45a2a4ad8e0b83114ec0eddeeb61a.jpg)
そこでBlackMagicのDesktop Videoを最新版に。
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/Pixel-format.jpg)
このバージョン(10.11.4)から、FCPXの項目が増え「Pixel format」を選択するようになっています。これなんですよ!!BMDのソフトならなら、そのままでOKなんですが、FCPXではここの設定が影響してきます。しかしそれでクロマがヨタヨタになるとは…..
結局、ドライバーのアップデートだったのですが、いち早く上記の情報を高信さんから得られ、助かりました。
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/9233c8cf94a31c71e3a59e2b8fc1a215.jpg)
UltraStudio 4Kを再起動し、同時にFCPXも立ち上げ直すことで、無事ベクトルスコープの表示が正しいものに!!
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/6ba1c2b9086c9529d85427e3b579c5af.jpg)
今回、プレミアには「HDカラーバー&トーン」というのがあり、それで100%のY/C/R/Bが確認できることも高信さんより教えてもらったので、入れてみました。
…..ベクトルスコープが75%表示のままの写真を貼っても、と今気が付きましたので、表示を100%にしたものも念のため下に。
![](http://g-factory.jp/wp-content/uploads/2019/01/IMG_0818.jpg)
実はHDになってから、シグナルジェネレターを使ってないんですよね。アナログ時代〜デジタルでもDVテープとかの時には、そもそもゲンロックが必要だったし、CollarBarが必要になる事が常にあり、「シグジェネなくして編集無し」でしたよね。
でも、ファイルフォーマットになってから、凄く編集環境の簡易化が進んで、その恩恵は大きいと思っていますが、こういうことが起こって、改めて「たとえSmart Scope Duoでも、やっぱりあって良かった!」と思ってます。
簡易なベクトルスコープ、されどやっぱりベクトルスコープでした。