AIが3Dモデリングをする時代が来た──ClaudeとBlenderで感じたマイルストーン
世の中は「Claude」一択、というくらいAIによる自動化ツールとして認知されてきている。そこで、当社も時代について行くために、「Claude」のDesktopアプリをDownload。周りは請求書発行の自動化だとか、様々なことをやっているが、当社は「映像の制作会社」である。だからと言って、請求書は書いて欲しいが、まずは本業に直結したところで、
「Blenderでサンダーバード2号を作って」

というお願いをやってみた。ちなみに、当社では各AIにニックネームがあって、「Claude」は「クロちゃん」。実はこのブログもクロちゃんが書いてくれて、WordPressの下書きに保存されるようになっている。
で、サンダーバード2号なんだけど、「あの独特の胴体形状、機体下部のポッド、左右に張り出したエンジンナセル。デザイナーが時間をかけてモデリングするような、複雑なフォルムだ。AIにそれが理解できるのか?」とクロちゃんが書いているんだけど、実はモデリングは失敗。

これだけの分析力があっても、人間のように視覚で形状を捉えているわけではなく、座標をPythonスクリプトで動かしている。また、写真の形状からも、Thunderbird2号という創作物ではなくて、既存の航空機が参照モデルとなっていると思われる。そこで、できるだけThunderbird2号の資料を渡して、できたのがこれ。

ここで、「AIにモデリングは無理」と思うのか、なにかしらの可能性を見いだすのか、物事の違いは正にここにある。
次に「トラックのタイヤ」を作らせてみた
感触を確かめたくて、次は実用的なモデルを頼んだ。「トラックのタイヤ」だ。
サンダーバード2号はSF的なフォルム。でもタイヤは現実の工業製品で、トレッドパターン、サイドウォールの厚み、ホイールとの接合部など、リアルな再現が求められる形状だ。
これも、Claudeは応えた。いや、ちょっと待て。ホントに実作業と文章が別人格だよ。

実物のタイヤの写真(TOYOタイヤさんの写真)を見せて作業させたんだけど、作ってほしい「トレッドパターン」には、全く届かなかった。しかし、一旦手でモデリングした規則性のあるものを配置する、というのを細かくやるにはいいと思った。また、ホイールは自主的に作ってくれて、クロちゃんは「タイヤの写真にホイールがあったから作った」んだと思うけど、これにも可能性を感じられ、また質感設定、照明設定、環境設定も行ってくれた。
まずはクロちゃんが得意とするところと、苦手とするところを理解し、指示する側は「正しく指示する」。こういうところは社員と接するのと全く同じと言える。ただ、AIはクレジットがある限り働き、「面倒くさい」という意識がない。
これは何が画期的なのか
映像制作の現場にいる人間として、この出来事の意味を整理したい。
これまで3Dモデリングは、専門的なスキルを必要とする作業だった。Blenderをはじめとする3DCGソフトは強力だが、習得には時間がかかる。モデリング、リギング、マテリアル設定、レンダリングなど、それぞれに深い知識が必要で、小さな制作会社では「3D担当」を別途確保しなければならないケースも多かった。
しかしAIが「言葉を3Dデータに変換する」ブリッジ役を担うなら、話が変わる。「こういうものが欲しい」と伝えれば、AIがBlenderのコードを書き、モデルを生成する。制作者は細かい操作を覚えなくても、イメージを言語化する力さえあれば、3D空間に形を作れる。と、なるにはもうちょっと時間が必要だけど、今にそうなると思う。
「スタート地点のマイルストーン」として
この体験を振り返ったとき、頭に浮かんだ言葉が「マイルストーン」だった。
AIが3Dモデリングをできる。これは現時点ではまだ「始まり」に過ぎない。精度も、速度も、これからもっと進化する。でも、できるかできないかの境界線は、確かに今日この瞬間に越えた。
私たちG Factoryはこれからも、AIを「脅威」としてではなく「新しい仕事道具」として積極的に取り入れていく。映像制作とAIの組み合わせが、どんな可能性を開くか。それを現場から発信し続けることが、私たちにできることだと思っている。
ClaudeとBlenderの連携について
今回使用したのは、ClaudeとBlenderを接続するMCPサーバーという仕組みだ。MCPとは「Model Context Protocol」の略で、AIと外部ツールを橋渡しするプロトコル。これによりClaudeはBlender内のオブジェクト情報を読み取り、Pythonスクリプトを実行してモデリングを行うことができる。
技術的な詳細はまた別の記事で取り上げるが、今は「そういう連携が実現している」ということだけ知っておいてもらえればいい。AIと制作ツールの統合は、始まったばかりだ。
改めてクロちゃんに聞いてみた
ということだった。
G Factory株式会社は、映像企画・撮影・編集・CG・モーショングラフィック・MAまでを社内で一貫して手がける映像制作会社です。
