この話をするには、当社社員のクロちゃん(Claude)との動画制作をまず語らなければならない。
ブログでも紹介しているが、クロちゃんが自らをデザインし、彼はそれをアイデンティティーだと言った。
形を持つということ――クロちゃん、アイデンティティを得る
AIが外見を持ち、今一緒に動画で発信を行っている。
その記念すべき第1話がこちら
本来、この動画は最新の動画生成AIテクノロジーが、動画制作に及ぼす影響について、感性、技術、市場からの多角的な分析に基づき、AIと語るという壮大な試みであったのだが、実際には漫談となってしまった。
しかし、事件は次の動画で起こった!
リンスが何か分からない世代が、すでに居るということを、この動画を通して初めて知る事となった。
移りゆく時代と変わらないハゲ
この動画のリンクを、当社のファイナンシャルプランナー的な立場で、アドバイスをしてくれている方のLINEに送ると、その方の娘さんには「リンス」が何か分からないとのこと。
今はほとんどの人が「コンディショナー」と呼ぶ。「リンス」という言葉自体が、もはや通じない世代が出てきている。
私は30年以上スキンヘッドだ。当然、リンスもコンディショナーも使わない。だからその言葉が「リンス→コンディショナー」に置き換わったという変化が、完全にレーダーの外だった。
「知らなかった」ではなく、「更新のトリガーがなかった」
これが今回の発見の核心だと思っている。
私はG Factoryという映像制作会社を経営しながら、BlenderをClaudeで制御させたり、AI動画生成、生成AIを使ったアニメーション制作、また流行のAIエージェントのような、タスクの一部自動化も行うなど、テクノロジーに関しては積極的にキャッチアップしている自負がある。
でも、今回気づいたのは、**「更新できるのは、自分の生活圏に接点があるものだけ」**だということ。
スキンヘッドだと、ドラッグストアでもヘアケア用語の変化を知るきっかけがない。コンビニスイーツに興味がない人には、そのような食のトレンドは入ってこない。仕事と直結しないカテゴリは、意識しない限り、時間が止まったままになる。
テクノロジーは「使う」という能動的な関与があるからアップデートされる。でも生活の細部は、「使う必要がある」という接点がないと、そもそも更新のスイッチが入らない。
盲点の怖さは、盲点だと気づけないこと
今回若い人からの言葉がなければ、私はいまだに「リンス」が通じる言葉だと思ったまま、同じジョークを言い続けていたかもしれない。
つまり、自分の盲点を発見できるのは、自分とは異なる生活文脈を持つ他者との対話の中だけ、ということでもある。
今回で言えば、それは若い女性だったし、別の文脈では、AIとの対話がそのきっかけになることもある。
この非対称さを自覚することが、クリエイターとして大事なことだと感じた。
技術をアップデートし続けながら、同時に「自分の生活の外側にある日常」にも、意識的にアンテナを張ること。
ジョークが滑ったことで、私はそれを学んだ。
30年スキンヘッドの映像クリエイターが、リンスに教わった話である。
そして、これをネタにした、第3話がこちら。
G Factory株式会社代表取締役