アナログレコードからCDを制作して欲しいという依頼を、私の知り合いのカメラマンさんが、舞踊の先生から依頼された。
そのカメラマンさんがレコードプレーヤーと、問題のレコードを持ってきた。
おお…..レコードプレーヤー……
我が家に唯一あるレコード、「Virgin killer」(Scorpions)。
今なら間違い無く児童ポルノと言われそう(1976年の発売当時、海外ではジャケットがメンバー写真に差し替えられている)だが、日本では当時からこのオリジナルのまま、そして1995年の再販もオリジナルジャケットだったらしい。
写真を趣味とする女性がこのジャケットを絶賛していたし、規制と表現は難しい問題だなあ。
今回、レコードプレーヤーが来たので、まずは「Virgin killer」で入出力のチェック。え〜と…LPは33回転…..針は自動なのか??
何年ぶりかのレコードで、使い方がかなり怪しい。
針はスイッチで降りたり、戻ったりするプレーヤーだった。
そして、針を下ろすと……..おお!!当時のサウンドが蘇る!!
実は最近、仙人ウリ先生(ウリ・ジョン・ロートさん)が「スコーピオンズ-リヴィジテッド」で当時のScorpionsのカバーをやっているので、それを聞いていた。
やはりオリジナルの、しかもレコードはなんだか感動だなあ…..。
今日FBで、「おばあちゃんの所の四角でまるが二つあるDVD」という、「ビデオを知らない子ども」のことが載っていたが、アナログレコード時代には、「音楽鑑賞」という趣味が成立していた。
レコードの再生は儀式的であり、新譜は「正座して聞く」という気持ちにさせる文化だ。
ま、便利さは全てに勝る「正義」なんだろうなあ……
反面、ビデオなんて知らないデジタルネイティブと言われる彼等が、羨ましく思うこともある。
レコードからCDへの制作は、レレコードプレーヤーにRCAが付いているので、それをUA-25に入れてAudition(Adobe)で収録、と考えた。
通常アナブースからのナレーション収録にしか使っていないUA-25に、久々の「その他の用途」が到来。
しかし、そもそもの持ち込まれたレコードにキズが多く、ノイズが酷い。「Virgin killer」はちゃんと録音できているので、レコード盤の問題だ。
念のため、NINJA2でも録ってみたが、やはり状況は変わらない。
多少でもイコライジングを考え、レコードプレーヤーとUA-25の間にミキサーを投入。
ノイズの減少にはたいして意味はないが、聞きやすい音には近づけられる。
ひときわ目立つ最初の方の波形こそ、「針を落とした瞬間」のもの!
「ブッ」と小さく言ってる。
予算が十分でる仕事なら、レコードが傷ついて発生するノイズを、Auditionで細かく取り除くことが可能かもしれない。
ただそれは、「出口のない盤」という映画にでもできそうな困難が予想される。
今回、レコードプレーヤーがやってきたので、「Virgin killer」をCD化したかったのだが、ウッドデッキを白にペイントしていて、そんな時間はとれなかった…..ちょっと残念。